褥瘡の話

今、うちの施設では、臀部の皮膚処置を行っている方が3人おられる。

うちお一人は褥瘡(床ずれ)ではなさそうで、もうお一人はおそらく褥瘡と思われ、残りのお一人は明らかに褥瘡。順にAさん、Bさん、Cさんと仮に呼ぶことにする。

Aさんの患部は肛門の少し上。左右の臀部の間であり、どんな姿勢であってもそこに体圧がかかることはないような場所である。
ADLの自立度は高く、更衣やトイレも何とか独力で可能だが、失禁が多く、パッド交換もうまくできない。栄養状態は普通。
おそらく、何らかのきっかけでできた創傷が、失禁のため不衛生になり、乾燥もしにくく、治りが悪くなっていると思われる。

Bさんの患部は臀部に数カ所に散っている。ADLはやはり自立されているのだが、以前夜間のトイレ時に転倒し肋骨を骨折したことがあり、ご本人さんがそのことへの恐怖心を持っておられ、夜間のみご本人希望によりオムツ対応となっている。そのため患部は夜間には湿ってしまう。
発生した原因は、常にベッドを40度ほどにギャッチアップされているので、体圧が臀部に集中するのと、あとは身体が下方にずれてくる時の摩擦と思われる。
しかしいくらそのことを説明しても一向に聞き入れていただけず、ベッドをフラットにはされず……受診した皮膚科で指示されたガーゼ保護さえも嫌がられていた。そのため治療は一進一退となっている。

さてCさん。
半年ほど前までは歩行器で歩かれていたが、前立腺肥大による排尿障害で膀胱内カテーテル留置となり、尿路感染と思しき発熱が何度かみられていたのと、食事量が落ちて栄養状態が悪化、臥床時間が長くなったこともあって、仙骨部に発赤ができてしまった。
すぐに体位交換の援助を始めたのだか、いくらご説明しても、ご本人が背中に当てた体位交換用のクッションを外して仰臥位になってしまい、時にはベッドに端座位になって座っている。
そのため除圧が思うようにできず、褥瘡は進行してしまった。そしてこれまた一進一退を繰り返していたのだが、一ヶ月程前、38度台の発熱があった2、3日の間に異様な早さで悪化し、ポケット状になってしまった。

ポケット状になった褥瘡を見るのは数年ぶりである。施設としては恥ずかしい話ではあるが、ではどうすべきだったのかと問いたくもある。

以後はエアマットとロホクッション(エアマットの座布団版みたいなもの)をご用意し、時々皮膚科を受診してデブリードマン(壊死した組織を切除)してもらいながら、患部にヨードコートを詰めるように塗布している。
食事量は回復したが、やはりどうしても体位交換用のクッションを外してしまったり、気づくと端座位になられている。ご説明すると横になってくださるのだが、すぐにまた起き上がって……となってしまうのが歯がゆい。

おそらく、褥瘡の患部そのものは、進行すると痛みを感じなくなるのだろう。皮膚や皮下組織もろとも神経も壊死してしまうのだから。
むしろ周囲の方が痛みを感じるため、逆に痛みのない患部の方に圧がかかるように自分で動いてしまうのではないかと思う。その結果、いつまでたっても治らない、と。

3人とも、対応が後手後手になってしまっている。何とかせねば。

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褥瘡の話」への2件のフィードバック

  1. BMIと採血による栄養状態・腎機能の確認および栄養管理。早期除圧寝具の導入。状態に応じた外用薬の選択と安価なラップ療法の組み合わせ。清潔保持。
    これで、他所でつくった酷い褥瘡も治してきました。ラップ療法は安くて早く治りますよ。

  2. >認知症専門棟職員様
    コメントありがとうございます<(_ _)>
    ラップ療法は私が勤めていた老健でもやっていました。うちの施設でも看護師と話したことはあるのですが、専門医の指示が別にあるとそちらに従わざるを得ず……
    難しいですね。

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