Hand in Glove

確か私がこの業界に入って2年目の平成17年に、厚生労働省から「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」が出された。
その背景としては、それまでは感染性胃腸炎などと一括りで言われていたノロウィルス感染症が、病原ウィルスが発見されたことにより注目され、病院や施設での集団感染が問題となっていたことなどが挙げられる。

このマニュアルは感染症発症時の報告義務などを除くと、拘束力を持つものではないが、介護施設の感染症対策のスタンダードとなったことは確か。もし集団感染が発生し、かつこのマニュアルに定められていることも行っていなかったとなると、社会的には、その施設は当然のことを怠っていたとみなされてしまうだろう。

さて、そのマニュアルでは、オムツ交換の際には必ず使い捨て手袋を使用すること、となっている。またオムツ交換台車は使わず(つまり一斉のオムツ交換を止める)、個別ケアが望ましいとされている。

うちの施設では、オムツ交換はそれぞれの方に合わせて行っているので、決まった時間に巡回してオムツ交換を行う、ということはない。そして手袋の使用も徹底されている。
もちろん感染予防対策のうえでは望ましいことなのだが……

この手袋の使用量が非常に多いように思えるのだ。

使っているのは2種類。安価だが伸縮性のないエンボス手袋と、価格はエンボス手袋の1.5倍以上するが、伸縮性があり手にぴったりフィットするPVC手袋。
この2種類を合わせると、1月の使用料は8,000枚で、コストは21,000円ほどになる。1日で計算すると、264枚、700円である。
勤務職員数でみれば、1人の職員が1日で20枚以上使っていることになる。

入居者さんが最大で29名の地域密着型特定施設にしては多くないだろうか?

見ていると、オムツ交換だけでなく、トイレ介助の時にも使っている職員は多い。もちろん感染予防対策のうえでは好ましいことであり、それはお金に換えられるものではないとも言えるのだが……

私が以前勤めていた老健では、介護職員が手袋を使うことを許されるのは、下痢便・嘔吐物・血液等の処分の時だけだった。住宅型有料老人ホームでは、法人本部から渡される小口現金の中からはとても手袋を購入する余裕はなく、と言って本部に購入伺いを立てても黙殺されたので、やむなく私が自腹を切って買うことも多かった。そのため、看護師による処置を除けば、使うことはほとんどなかったと言ってもいい。
そのせいか、今のような手袋の使い方がもったいなく思えてしまうのだ……(^-^;

だからと言うわけではないが、私個人は、手袋はあまり使わない。オムツ交換の時も、直接陰部に触れる右手のみの使用で、左手は素手のままだったりする。
その理由は、手袋をしていると、入居者さんの皮膚や衣類を触った時に、温度や湿度が分かりにくいからだ。体が熱かった、あるいは衣類が汗や尿で湿っていたのに気付かなかった、なんてことにならないようにしたいから。
もちろん手洗いは、1ケアごと(1人の入居者さんごとではなく)に、薬用ハンドソープを使用して流水で30秒以上確実に行っている……つもり。

これは単に、私はこうしてますよ、という話であって、皆がこうすべきだとは思っていない。感染予防対策は重要である。
もちろん、できる限りは節約しようという姿勢も大切だが。

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