離設対策

先日、うちの施設で離設事故が発生した。
(この「離設」という言葉は専門用語だよね? 実は、私は未だに馴染めないのだが……)

詳しい状況は省くが、要点だけを書くと。
早朝。とある入居者さんが建物内にいないことに職員が気付き、ご家族・管理者に報告。警察と消防に捜索を依頼し、市の防災無線にて捜索協力依頼の放送を流してもらった。
30分後に、徒歩15分程のところにある保育園にて保護していただいているとの連絡が入った。

入居者さんに怪我などなく、本当に良かった。

さて、再発予防策である。
一応こんな感じで考えてみたのだが……

《行動の理由と、再発の可能性》
「家に帰りたい」という思い。
普段は施設で暮らしていることを受け入れられているが、不安が強くなると、理性による抑制が効かなくなると思われる。
また幾度か訴えられている、「施設への支払いがずっと続けられるのか」という心配もあり、それが「ここを出て行かないと」という気持ちに拍車をかけている可能性がある。

今回の事故後には、「大勢の人に迷惑をかけて申し訳なかった」と反省されており、それはもちろん本心なのだろうが、興奮状態となればそんな気持などどこかへ吹き飛んでしまうだろう。
再発の可能性は高いと思われる。

《問題点の整理と対策》
1. ご本人の問題
パーキンソン病治療薬(メネシット)を服用されている。その副作用には、不安、焦燥感、不眠、妄想、興奮、抑制がきかない等(「おくすり100番」より)が挙げられている。つまり、メネシットの副作用が、離設に至らしめた興奮状態の原因と思われる。
また、「~~しなければならない」と思い込むことは強迫観念ともみなせるので、それに対する薬物治療が有効である可能性もあるかもしれない。
⇒主治医に相談。メネシットの減量。
もしくは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など向精神薬の服用。

ちなみにメネシットの減量は、ご本人およびご家族が数ヶ月前に主治医と相談の上、体の動きが悪くなることへの不安から希望されなかった。
もちろん、施設としても一番に重視されるべきはご本人の意向であると思っているので、これらの方法については決してお勧め・お願いするわけではない。

2. 施設職員の問題
前日夕方より、「今日は第一ホテルに泊まるからここを出ていく」といった言葉が聞かれており、夜間は眠られていたものの、朝までそうした訴えは散発していた。
⇒ご様子が普段と違う時には、特に行動に注意。

だが夜勤帯など人手の薄い時には、お一人をずっと見守っているわけにはいかない。
⇒お部屋を出る、または建物を出ていくと職員に知らせるような機器の設置。
① 居室入口にセンサーマットを設置する。(これは当面の対策として即実施するが、なるべく早くに②などより良い方法に切り替えていく。)
② 子機が親機から一定距離以上離れるとアラームが鳴る機器を購入し、子機を例えばお守り袋のようなものに入れ、常に首から下げていていただき、建物から出られたら職員がすぐに察知できるようにする。

3. 建物の問題
常時玄関を施錠しておくわけにはいかない。
⇒玄関から出て行かれる危険性をできるだけ減らす。
③ 事務室勤務職員が出社するまで、玄関は施錠。
④ 日中は可能な限り、少なくとも1名が事務室にいるようにする。事務室を空ける際にはフロア職員に声をかけ、注意を促す。

こうした対策でも、100%確実に再発を予防できるわけではないので……

《万が一再発した時の迅速な対応》
ご家族や警察・消防・非番職員への連絡手順、および建物内外にいる職員間での協力などを含め、手順をマニュアル化しておく。

さて。
居室入り口へのセンサーマット設置と、玄関の開錠時間の変更等は既に行っている。その他の対応については、やや遠方に住まわれているご家族が来られた時に相談する予定。
センサーマットについて、ご本人にどう説明するかはちょっと悩んだが、何人かの職員で相談した結果、設置の目的は伏せておくことにした。うちの相談員がご本人にした説明は、「これから床暖房が入る時期になるから、滑らないようにマット敷いておいたね」というもの。全然説明になっていないが(^-^; ご本人はいたく喜ばれていて、相談員は「胸が痛んだ」そうである(^-^;;

二度とこのようなことがないようにしなければならない。

(参考エントリ:離設対応/対策マニュアルとは

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