学習療法

昨日のエントリを書いていて思い出したが(^-^; 私は学習療法士1級の資格を持っている。

学習療法士という言葉だけを見ると、あたかも理学療法士や作業療法士と肩を並べそうな資格に見えるが、実際は全くそんなことはないのでご注意を。
って、そんな勘違いする人はいないか(^-^;

おそらく多くの方はご存じだろうが、学習療法というのは、簡単な計算と音読によって脳の前頭前野を活性化させ、それを継続して行っていくことで、認知症の悪化予防と改善が図れるというものである。
(最近は、「認知症の改善」という言葉は使わず、認知・コミュニケーション・身辺自立機能の維持改善という言い方をしているようだ。)

人がある行動や思考をしているときに脳のどの部分が働いているかを、脳の血流量を調べることができるfMRIという装置を用いて調べた(脳機能イメージング研究)結果、簡単な計算と音読をしているときが最も前頭前野を活性化させているのだという。それに基づき、児童用のくもん学習教材を高齢者向きに改変した専門の教材を見いて、スタッフと利用者さんが1日15~20分程度の「楽習」をマンツーマンで行い、それを継続していく。

「本当に音読や計算が認知機能の維持回復に役立つのか? 学習療法の効果は、1対1でのコミュニケーションをとることにあるのではないか?」というのは、まあ誰にでも思いつく批評だろう。学習療法を採用している事業所だって、そんなことは承知しているのだ。
学習療法は、いわばコミュニケーションツールなのである。

学習療法の代わりに、「1日15分、職員と利用者さんが1対1でじっくり向かい合える時間を作りました。お話するも良し、何かを一緒にするも良し。利用者さんの好きなようにしてあげてください」という取り組みを始めたとする。中には学習療法を行う以上に濃密なコミュニケーションをとれる職員もいるかもしれないが、多くの職員はそれほど有意義な時間を過ごしてもらうことはできないだろう。
それよりは、細部まで手順がきちんと定められた学習療法を行っていただいた方が良い、そう考えるのはごく自然なことではないか。

もちろん、ただでさえ多忙な職員に、毎日利用者さん1人当たり15分の学習時間を確保させるのは簡単ではないだろう。始めたはいいが続きませんでした……というのでは、導入費用の無駄遣いになってしまう。かなりハードルは高い。

これを導入している事業所の方々は、本当に頑張っているのだと思う。たとえ思ったように利用者さんの認知症の維持改善に結びつかなくとも、必ず報われるはずだ。

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