環境への適応

うちの法人のグループホームに空きができたらしい。
申込者さんが何人かいるので、次に入居される方を決めるにあたり、順に体験入居をしていただいているという。

良いやり方だと思う。認知症の方は環境の変化にすぐに適応できないし、中には入所・入院後に行動障害が急速に悪化してしまう方もいる。
記銘力は低下しているものの家では穏やかだった方が、施設に入るなり歩き回るようになったり、職員に手を上げたりするようになってしまうことがあるのだ。

以前勤めていた老健で、こんな方に会った。
認知症のため独居が難しくなってきたのと、近所の人に幾度となくお金をだまし取られていたため、知人の方や市職員、ケアマネさんが緊急避難的にショートステイを手配し、それを利用している間に、安心して暮らせる場所を探そうとされていた。
家では穏やかに暮らしていたらしい。しかしショートステイに入られるなり、家に帰ると言われ、こちらの言うことを頑として聞き入れず、暴力的な言動をされるようになった。ついには窓の二重ロック(窓は普通のクレセント錠を開けただけでは15cm程しか開かず、全開にするには、隙間から外に手を伸ばしてもう一つのロックを外さなければならない。認知症でない人、それこそ職員でも、やり方を知らなければまず開けられるものではない)を外してベランダに出て、手すりを乗り越えようとされているところを職員に発見された。そこは2階なので、手すりから落ちたらただでは済まなかっただろう。
この結果、施設長医師が措置入院が必要であると判断、総合病院の精神科を受診していただき、入院となってしまった。
その後どうされたのだろう……

まあ、これほど極端な例はそうそうあるものではないが、それでもやはり認知症の方には、環境の急激な変化はなるべく避けるというのがセオリー。グループホームへの入所となると、どうしても環境が大きく変わってしまうことはやむを得ないので、せめてそのことへの不適応がなるべく起きない方に入所していただこうとするのは、お互いにとって良い考え方だと思う。

とは言え、グループホームなのだから、まずは通所で利用してもらうところから始められるのでは? と私が言ったら、うちの管理者(法人の介護事業部門責任者でもある)の中で、それが一瞬で膨らんでしまった(^-^;

実際、グループホームでは通所も短期利用もできるのだから(そのための条件はあるが)、通所→短期利用→入所、ということで少しずつ慣れていっていただくこともできるではないか。

グループホームでなくとも、通所と泊まり、入所が一つになった施設でも同じことが行える。比較的規模の大きい施設だと、それぞれの事業が1つの建物の中で行われていても、区画もスタッフも全く別となってしまったりしてほとんど無意味だが、規模が小さければ、共有部分も大きく、違和感なく別サービスに移行できるだろう。
……と言うよりも、これこそが小規模多機能というものだったはず。なのに制度化された小規模多機能型居宅介護からは「住まい」が外されていた。これは何故?

既存の事業所から離れたところに新規の事業所を作るのもいいが、一箇所でできることを増やしていくという事業拡大もまた意義のあるものだ。
今後1年くらいの間は、そういう形での事業拡大に関わっていくことになりそう。

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