苦労は続かない。(良くも悪くも。)

起きて食堂などにいる時でも、お部屋にいる時でも、頻繁に一人で立って歩こうとされ、転んでしまう。そんな方は決して珍しくない。私もこれまでに何十人とお会いしてきた。
認知症のため、「一人で動くと危ないから、必ず職員を呼んでくださいね」などとお願いしてもわかってもらえるものではないので、職員は食堂などに出て来ていただいている時には見守り、お部屋では、ベッドの脇に踏むとナースコールに連動して職員に知らせるマットを敷くなどし、常に気を配っていなければならない。
日中は複数の職員がいるので、何とか見守りができていても、夜間はそれが難しいことが多い。夜間に眠れない様子でベッドから起き出そうとされるときなど、やむなく車椅子に移乗してもらって夜勤者の傍らにいていただき、夜勤者が他の方からナースコールで呼ばれたりすると、一緒にその方のお部屋の入り口まで移動、なんていう対応もよくあることだ。

こういう方がおられると、職員も大変である。いつまでこの対応が続くかは分からないので、夜勤の度にこの苦労か……と考えると、正直、気も重くなる。

しかし。私の経験上。
えてして、こうした状態はそれほど長くは続かない。せいぜい1~2ヶ月くらいだ。

おそらく、こうした状態になることは、職員も確かに大変だが、ご本人はもっと大変で、身体には大きな負担がかかっているのだ。何しろ夜もまともに眠れていないのだから。
そのため、疲労が蓄積してレベルダウンしてしまったり、または健康状態が悪化して入院となったりする。どっちにしても好ましい状況変化ではない。

まずは夜眠れるように、適切な医療を提供する、つまりはお薬を飲んでいただくことも大事だが、介護職員も無理に何かをさせようとするのではなく、少しでも本人がしたいように、楽なようにさせてあげることが大切だと思う。

その方の生命を蝋燭の炎に例えるなら、こうした落ち着きのない状態は、炎に風が当たり、ゆらゆらと揺れながら大きくなっている状態だと言える。そこで、風をさらに強くしてしまって蝋燭の燃えるスピードを速めてしまうのではなくて、手で炎を包み込んであげて、炎を小さくし、蝋燭そのものを守るような支援をしていきたい。

そうは言っても、現場に入っているとなかなか難しいものだけれど。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中