看護師は介護士より偉いのか

結論から言うと、本来そんなことはない。しかしそうなっているのが現実である。
そして主な原因は、看護師側ではなく介護士側にある。

当たり前だが、看護師は専門的に医学を学んできているので、医学的な知識や技術では介護士が敵うはずはない。
しかしそんなところで張り合おうとすること自体が間違っている。介護士が武器とすべきものは別にあるのだ。

例えば。
以前のエントリ(認知症のロジックとカウンセリングパーキンソン病と強迫観念)でも少し触れたが、認知症、特に周辺症状に対しては、医師や看護師は基本的に薬に頼らざるを得ない。利用者さんの「心」に踏み込んで個別のアプローチをしようにも、直接利用者さんに接して情報を収集するだけの時間がないし、そもそも彼らが武器としているのは医学なのだから。
(もちろん、中には利用者さんと進んで触れ合おうとする素晴らしい看護師もいるが……)

認知症状に対しては、アリセプトなど進行を遅らせると言われているごく一部の薬を除いて、薬を使用するのはなるべく避けるに越したことはない。副作用がなく、しかも万人に効く薬があるのなら別だが。
まずは、介護の範囲でできるだけのことをし、それでもどうにもならなかった場合にのみ、また介護の手の届かない範囲を補う形で、薬が使われるのが望ましい形ではないか。

だが、それができる介護事業所は少ない(少なくとも私は実例を知らない)。
これは介護士側の力不足によるものだ。

介護士の武器は、言葉を中心としたコミュニケーションと、観察である。もちろん、基礎としてある程度の医学的知識は必要だ。
これは何も認知症ケアに限ったことではない。日々のケアを行っていく中から、その方の心身の特性を把握して、必要なことは医療の専門家である医師や看護師にフィードバックしつつ、自立とQOLの向上を支援していくのだ。

そう。心身の安全の確保は主に医療の分野が主導していくべきことだが、自立支援は医療と介護が手を取り合って行い、その先にあるQOL向上支援は介護士が主導していかなければならない。
いわば医療が築く基盤の上で、自立とQOL向上を支援していくのが介護士の役目なのである。

なのに、それだけの知識と技量が身についていない介護士が多い。
そのため、それを補うために看護師が指導的役割を求められてしまう。

看護師が偉そうで嫌、と不満に思っている介護士は少なくないだろう。
しかしそれは看護師のせいではなく、看護師と渡り合えるだけの力を身に付けていない介護士側の責任だ。

看護師は資格を持っていないと仕事ができないが、介護士は無資格でも働けるし、例え介護福祉士を持っていても、その資格が保証するラインは低すぎてお話にならない。スタートラインで既に差が付いているのだ。その差を埋めるには、それなりの努力が求められる。

それをせずに文句言っても、仕方がないんだってば。

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看護師は介護士より偉いのか」への2件のフィードバック

  1. …そうは言っても、仕事しない(適当)ナースが多いです!それで、高給もらって、うらやましい。風呂介助してよ!こっちは汗だくなのに、何やってるの…

  2. >ラララ様
    コメントありがとうございます。
    確かにそういう看護師もいることは否定しません。でもまあ駄目な人と比較しても仕方ないので、介護士も奮起しようよ! というつもりで書きました。
    またお目に留まる記事がありましたらコメントお願いいたします<(_ _)>

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