勤める前にダメな職場を見分ける法(施設編)

この業界、職員にとっての「天国」はどこにもない。
残念ながらこれは揺るぎない事実である。現在のところは。

どの職場も一長一短だ。人間関係が良かったり、給与が良かったり、他所よりも良いサービスを提供していたりと、それぞれの施設で良いところはあるが、必ずダメなところもある。
どんな条件を優先し、また妥協するかは人それぞれだろうが、それが実際に入ってみないと分からない、というのではやはり不便だし、これがこの業界の高い離職率を招いているとも言える。

入ってみて、話が違うなどと思っても手遅れである。すぐに退職したとしても、自分のキャリアにとっての傷となるだけだ。
また、どうせなら良いサービスを提供しているところに勤めるべきだ。提供しているサービスの良し悪しは、働く人間のモティベーションにも大きく関わってくる問題だし、サービスの悪い施設で得た知識や経験は、あまり後の役に立たない。

そこで今日は、実際に勤め始める前に入手できる情報から、その職場の良し悪しを推し量る方法について書いてみたい。
面接時の見学では、排泄や入浴ケアの実際の現場を見ることはできない。しかし、目に入るところからでも、ある程度推測することはできるのだ。

とりあえずは「施設編」ということで。「居宅編」はいずれまた。
あ、「施設」というのは、介護保険施設3つだけでなく、グループホームや有料老人ホームなども含んでます。

1. 求人票から分かること
① 遅番勤務が10:00~19:00(ダメ施設率90%)
遅番の勤務は、入所者さんが一通りベッドに入った頃に終了、となる。就寝介助を夜勤者のみで行うのはどの施設でもほとんど無理だからだ。
そんな遅番の勤務が19時で終了ということは、夕食を18:00前からお出しするか、夕食を慌しく済ませて就寝介助を行っているか、あるいは19:00では就寝介助が終わらずに残業が常態化しているか、いずれかの証となる。いずれにしろ、今時そんな早く夕食を出したり、就寝介助を手早に行っているということは、入所者さんに施設の都合を押し付けているわけで、ロクな施設ではないし、残業についても改善を図らないのは問題である。
一般的に、早番の勤務開始時刻が早く、遅番の勤務終了時刻が遅いところの方が、入所者さんのペースに合わせた援助を行っていると推測していい。

② 複数の施設を持つ法人で、面接は各施設ではなく法人本部で行う(ダメ施設率70%)
管理者候補などの求人ならばともかく、一般の介護職員の面接を本部で行うということは、その程度の権限も各事業所に委譲していないことを表す。本部の権限が強すぎるところは、えてして上層部の人間によるワンマンな運営をされているところが多く、現場の意見が生かされにくい風土であると推測できる。
また、求職者に、実際に勤めることになる職場を見てもらおうという配慮が欠如していることを示すので、入職後も駒のようにあちこちへ移動させられる可能性も高い。職員を人間として見ていない法人にありがちだ。

③ 民間病院の併設施設(ダメ施設率50%)
偏見だと怒られそうだが……医療従事者は既存の病院を基準に施設を作ってしまうので、「生活の場所」としては非常に質の低いところが多いこと、介護よりも医療を上に見て、「医学的に正しいこと」を入所者さんに押し付けがちなことから、いい施設と呼べるところを見たことがない。
また診療報酬・介護報酬を使い分け、入所者さんをあっちへ行ったりこっちへ行ったりさせるのが常套手段。利用者本位からは程遠い。
ただし、給与などは高めであることが多い。なので、待遇面を重視したいのなら充分にアリではある。個人的には悲しい選択だと思うが。

2. 面接・見学時に分かること
① 食堂で車椅子に座ったままの入所者さんが多い(ダメ施設率60%)
施設を見学する際には、食堂にいる入所者さんがきちんと食堂の椅子に座り替えているかを確認する。車椅子に座ったままということは、職員が椅子へ移乗していただくのを面倒がっていることを示すので、ケア全般に渡って利用者本位の支援が行われていない可能性が高い。

② 10時・15時のお茶が終わると、食堂に入所者さんが誰もいなくなる(ダメ施設率50%)
採用面接の時刻は、10時もしくは15時が良い。可能なら、まず最初に施設を一通り見学させてもらい(その時に↑①を確認しておく)、面談が終わって帰る前に、もう一度フロアを見てみる。
その時、入所者さんが皆居室に戻っている(戻らされている)施設は、日課に合わせて離床しているだけで、入所者さんをほぼ居室にこもりきりの、準寝たきり状態にしていることがわかる。
私は、自分自身の求職中には、どんな食事が出され、どう提供されているかを見るために11時頃からの面接をお願いすることが多かったが、考えてみると、昼食というのは日中で最大の日課なので、どの施設でもそう大きな差は開かない。それよりも、1つの日課が終わった後にフロアがどうなっているかを見る方が、よほど参考になる。

④ 玄関、事務室周辺や廊下等に、入所者さんの作品が飾ってない(ダメ施設率40%)
ご高齢者は自分の作品を飾ってもらうことをとても喜ぶ。
それなのに飾っていないということは、入所者さんにそうした活動をしてもらうための援助を全くしていないか、または施設が、入所者さんを喜ばせることよりも見栄えを重視している可能性がある。
ちなみに書道や塗り絵、生け花などは作品のうちに入らない。入所者さんの自発的な活動でなく、職員の自己満足的なレクや作業療法によっても簡単に生み出されるものだからだ。
手の込んだ紙細工や人形、編み物など、我々が見ても「おっ」と驚くようなものが飾ってある施設は少なくない。そういうものが望ましい。

以上、求職者の参考までに書いてみました。

ちなみに「2. 面接・見学時に分かること」は、施設の利用を考えている、入所申込者の方の参考にもなるかと思いますd(^-^)

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