急がば回れ

急いで何かをしようとすると、結局は余計に時間や手間がかかる、ということがよくある。

例えば、夜中に混乱してお部屋から出て来られた方に対して、お話をうかがっているとき。別の方からナースコールで呼ばれ、やむなく手を取ってお部屋にお連れしようとすると、「何をするんだ!」とさらに興奮させ、ますますお部屋に戻ってくれなくなってしまうとか。

夕食の後、食後薬をお渡しすると手のひらに載せたまま飲んでいただけず、他にトイレや歯磨きを待っている方がいるので「早く飲んでくださいね」と言うと、飲むどころか逆に手を握り締めて下ろしてしまうとか。

何度も経験して分かっているはずなのに、気が焦るとついついやってしまう。

また、焦っているわけではなくとも、つい忘れてしまったことが、後で大きな手間になることもある。
入浴介助のときに、脱いだ衣類の記名を確認するのを忘れて、洗濯した後で持ち主を探すのに苦労したり。
ティッシュペーパーまで一緒に洗濯してしまって、干す際に大変な思いをしたり。
未だにこういうことをしてしまうと、この仕事を始めて何年経つんだ、俺は……と落ち込みさえする。
ま、でもこの辺は、いわば介護のあるあるネタですかね。

日々のケアも、手を抜くと結局はそれが何倍にもなって返ってくる。

別のエントリ(ケアプランチーム)でも少し触れたが、うちの施設では以前、オムツの中で尿取りパッドを重ねていた。こういうことも、パッド交換の手間を省きたいのだろうが、実際にはパッドの厚みで隙間ができて却って漏れてしまい、更衣介助や洗濯の手間が増えたりする。これに何度イライラさせられたことか!
それにパッド交換の回数が減れば、皮膚トラブルや尿路感染のリスクも高まるわけで、そうなれば手間が増えるどころではない。

同じように、ヒヤリハット/事故報告書(インシデント/アクシデントレポート)も、書くのは確かに面倒だが、それを怠ったばかりに対策がなされず、事故が起きてしまえば……
そう思えば紙一枚書くくらい、何てことないはずだし、中身ももっと深く考えたものになるはずなのだが。

たぶん、一度大事故を経験して自身の対応を悔いなければ、なかなか実感が湧かないことだろうな、と思う。
でもそれを待つわけにはいかないしね。繰り返し説明していくしかないことなのだろう。

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