介護施設での画像編集

以前のエントリ(追い込み)で少し触れたが、うちの施設では毎月、全入居者さんの最近の写真をアルバム風に集めたお便りを作って、ご家族にお送りしている。3つのフロアそれぞれにA4用紙1枚で。

私が入社するまではWordで作っていたようだが、私が作るようになってからは、画像編集ソフトを使うことにした。トリミングや色調整などをするにはその方がはるかに便利だし、やはりレイヤー機能がないと不便だから。

私が使い慣れているのは、以前iiyamaのPCを買ったときについてきた、HyperKiDというソフトである。とっくに開発終了しているし、これを機にOpenOffice.orgのDrawにでも慣れておこうかな……とも思ったが、結局使い方を覚えている時間もなく、HyperKiDを使っている。

夏祭りなどの行事のポスターなどもこれで作っている。本当は手描きした方が温かみがあってはるかにいいと思うのだが、そういうことが得意な職員はいないようで……残念。

また去年のクリスマスに、全職員が入居者さん一人ずつに手作りのクリスマスカードを作った際、私は、職員の名前をとても気にされ、手帳にメモして覚えようとされている方の担当となった。そこで、職員全員の顔写真を名前付きで並べ、表裏に貼り付けたクリスマスカードをPCで作ってプレゼントしたところ、とても喜ばれた。
他の入居者さんにも欲しがる方にはお配りし、ご家族さんにも郵送したところ、毎月お送りしている報告書に最近のご様子を書いている職員たちの顔がわかって、とても良いとのお言葉を何人かの方からいただいた。
こういうことも嬉しいもので。

そういえばデイにいた時には、施設内外の写真を元に、オリジナルの塗り絵を作ったりもしたっけ。

画像編集に慣れると、介護事業所でも、アイデア次第でなかなか面白いことができるものだ。

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介護保険請求ソフト

私はこれまでに3つの職場を渡り歩いているが、いずれの職場でも請求業務に携わったので、その間に3つの介護保険請求ソフトを使ってきた。

① 「Flowers」(株式会社コンダクト)
請求、ケアプラン作成など業務内容に応じて個別のソフトになっており、その分それぞれの機能は充実しているが、割高な印象は否めない。
請求ソフトの集計機能が実用的で、役に立った覚えがある。

② 「楽すけ」(ニップクケアサービス株式会社)
アセスメント(MDS)機能が付属。3つの中では一番シンプルで、直感的な操作ができる。集計機能が弱いのが残念。

③ 「WINCARE V2」(富士通)
基本システムに、アセスメントなどのオプションをプラスしていく方式。
利用者スケジュール情報を入れておくと、実績入力画面でそれを反映させてくれたり、実績入力画面で保険請求分だけでなく自己負担分も管理できるのは何気に便利。
しかしユーザーインターフェイスのデザインと、使用している言葉が独特なために直感的な操作が困難。
集計機能はまあ標準的か。

最大手(だよね?)ワイズマンを使ったことがないのが、残念といえば残念ではある。

費用は、価格が代理店によって違ったり、サポート/メンテナンス費用のことなどもあるので、単純比較はできないためここには記さない。もはやうろ覚え、ってこともあるしね。

サポートについては、そもそも困ってサポートセンター等を頼ったことがないので何とも……(^-^; それにたいていの場合対応するのは代理店だろうから、店ごとの差も大きいと思う。
ただ言えるのは、Flowersはマニュアル本を見れば一通りの操作が何とかなったし、楽すけは直感的な操作だけでいけたのでマニュアルなんて見たことがない。しかしWINCAREはオンラインヘルプを多用しないととても使えない。

「要はレセプトと、利用者への請求書が作れればいい」っていう事業所は、もう単純に価格だけを比較して決めればいいだろう。
しかし機能が多様化しているのは確か(バイタルサインの記録やグラフ化とかもできたりする)なので、せっかくなのでそれも活用したい、となると選択は難しくなる。

とは言え、例えばケアプラン作成に何十万もするソフトが必要かというと、全くそんなことはない。請求や給付管理にはもちろん必須と言えるが、ことケアプラン作成については、そうした専用のソフトを使った方が楽だし早い、ということなどないのではないか。
まあ、私は自作のデータベースを使うのが一番楽だし早い、とは思ってるけどね(^-^;;

主にレセプト作成や給付管理にはこうしたソフトがないと非常に面倒、という事情に乗じて、多くのソフトウェアが開発されているが、その費用対効果については、各事業者がもう一度見直した方がいいのではないかと思う。
必要のない機能に高額な費用をかけるくらいなら、少しでもスタッフの給与に回してあげた方がいいはずだから。

決め付けないことも大事

認知症や身体の障害のため、一人で暮らしていくことはもう無理。といって、家族が一緒に暮らすこともできないので、施設利用を。そうして施設に入られる方がいる。

以前の職場である、住宅型有料老人ホームで会った女性の話。

かつては独居の方で、何ヶ月かの入院生活を送った後、そのまま施設に入所された。その時には、「こんなに綺麗なところに来れて私は幸せです」と喜ばれていた。

しかし、やがて「帰ります」と言われるようになった。

食堂でもお部屋でも、椅子やソファ、ベッドから床に降り、這って玄関に向かう。
最初は、どうして帰りたいのかお聞きして、「お気持ちは分かりますが、お一人で暮らしていくのは無理です」ということを理解していただこうとしたが、「大丈夫」と頑として聞き入れない。その「大丈夫」の根拠も、「ご飯くらい自分で作れます」「買い物は家族に頼みます。自分でも行けます」と、現実味はない。
そのため、お話を聞いているうちに少しずつ話題を変えていって、気を逸らす、という方法を取ることにした。もともと記銘力は低下している。しばらくは、その方法でその場をしのぐことができていた。

ある日。私が日勤で出勤したら、床を這って進むその方の傍らで、早番職員が困り果てていた。朝から「帰ろう」の一点張りで、どうしても気を逸らせないのだと言う。
私は、自分が付いているからいいよ、と早番職員を仕事に戻らせた。「膝に水が溜まっているんですから、這って歩くことは膝に悪いですよ。ちょっと私とお話しましょう」と声をかけたが、「そんなこと言っても騙されない。私は帰るんです」と言い張られるばかり。

これはもう仕方ない。どっちに転ぶか分からないが、やってみよう。
そう思って、私はその方を車に乗せ、その方の自宅へ行った。

鍵はご家族の方が持っているので、家に入ることはできないだろう。それでも、家を外から見るだけでも満足してくれれば……そう思った。しかし家に着き、車椅子で玄関まで行ったところ、その方が言うには、「鍵は家の横手にある植木鉢の下にあるとのこと。果たして、鍵はそこにあった。
こうなったら入ってみよう、と決め、私はケータイでご家族の方に連絡し、家に入る許可をいただいた。

入院してそのまま施設入所となったので、家に帰るのは4、5ヶ月ぶりになるはずだった。電気も水道も止まっている。床はホコリと虫の死骸だらけ。

その方は畳の上に降りたがったので、私は車椅子から降ろしてあげた。周囲の畳の上のホコリを払って。

「灯りをつけてください」と言われたので、私は電灯の紐を引っ張った。当然、点くわけはない。
「電気、止まってますよ」
「電気なんかなくても生きていけるよ」
「食べ物も何にもないですよ」
「あんた、買って来ておくれ」
「私はお金を持ってないんですよ」
「じゃあ〇〇(←ご家族さんの名前)に電話して持ってきてもらうよ」
「電話も止まってますよ」
「お隣にお願いするよ」

そんな話が何度も何度もループしていく。
2時間ほどそうしていただろうか。

やがて、その方は「帰りましょう」と言い出された。

施設へ向かう車の中で、「ありがとう」と言ってくださった。車外の風景を見ながら「若い頃はこの辺りでね……」と思い出話をしてもくれた。聞いていると、いろいろと記憶が混じり合ってしまっているようで辻褄の合わないことも多かったが。

そうして施設に帰った。家に行ったことは忘れて、またすぐに帰りたいと言われるのだろうな、と思っていたら。
その後、帰りたいとは全く言われなくなった。

認知症なのだから、説明してわかってもらえるものではない。説得するのではなくて、そういう気持ちが心を占めないように活動を支援したり、気を逸らしたりする……そういうケアはもちろん間違ってはいない。
だが、端からわからないと決め付けてしまうのではなく、わかってもらう努力が有効なこともある。

そのことを、私はその方から学んだ。

Hr(+)

介護業界では、医療用語や略語がそのまま使われていることが多い。

一番の目的は、記録の簡略化だろう。例えば日々のバイタルサイン測定で、「血圧」と書くよりも「BP」と書く方がずっと早い。排泄のチェックに関しても、「排尿あり(多量)」と書くよりも「Hr(+++)」の方が楽だ。

ところでこの「Hr」は、「ハルン」と読む。この間、介護職員に「エッチアールは?」と聞かれ、私は(エッチアールって……ホームルームなわけはないから……ハートレート(心拍数)? なんでそんなこと聞くんだ?)と思ってしまった。普段、「Hr」という単語は一日に何十回となく書いているが、あくまで「ハルン」としか認識していないので、分からなかったのだ。こんなこともあったりする。

医師の書く診断書、診療情報提供書でも、こうした略語が使われているので、老健の支援相談員をしていたときに嫌でも目にした。「Af(心房細動)」とかの類である。さすがにこれは現場で使われる申し送り等には使えないが、自分だけ分かればいい覚え書きなどでは今でも使っている。

老健の支援相談員をしていたときには、入所申込者さんと面接しながら、得られた情報を細かく記録しておく必要があった。その際、自分が書いている内容は相手の視界に入ることになる。そのため、「認知症」と書いているのが相手に伝わるのが何となく気まずい気がして「Dem.」とか書いていた時期もあったが、認知症というのは忌むべきことではないのだから、そんな必要はないと気づいてからはあまりしなくなった。それでも急いで書いているときなどには、こうした書き方はやはり便利だ。

ところで「Hr(+)」だが、日々の記録で使うときには、該当する時刻のところに「トイレ Hr(+)」などと書かれる。例えば10:50にトイレに行ったときには、10:00と11:00の間辺りに書き込まれるのだが、10:10なのか10:50なのかは次の誘導時刻にも関わる大きな違いなので、私は「50 トイレ」と書いているが、全く皆は真似してくれない。
また、同じ「トイレ」でも、ご自分から行きたいと言われたのか、それとも職員から「そろそろトイレに行きませんか?」と声をかけたのかも大違いだ。少なくともケアマネとしては。これも私は、前者の場合「訴えありトイレ」と、後者の場合「トイレ誘導」と記載しているが、誰も真似してくれないのは上と同様。

全体ミーティングで「こうやって記録してください」とお願いしようかと思ったが、現在ではケアプランチームが活動しているので、私が上で述べたようなことをケアプランチームの誰かが言い出すまでは、待ってみようと思っている。

果たして、誰か言って来るかな?

さて。医療用語や略語だが。
介護の仕事を始めたばかりの時には、分からなければ周囲の先輩たちに気楽に教えを乞えるが、その時期を逃すと、だんだんと聞くに聞けなくなっていく。
「今さら聞けない」というやつだ。

そんなあなたのために! 私の作成した「介護職員が覚えておくと何かと便利な医療用語・略語」集を以下に貼り付けてみる。
Excelで作ったものなので、そのままブログにアップロードできれば良かったのだが……Broachでアップできるのはjpegと音声ファイルだけらしいので、仕方なくスキャナで取り込んでjpegにしてみた。お役に立てば嬉しい。
(3ページあるので要注意。下の画像はサムネイルなので、保存はリンク先の元ファイルをどうぞ。)

ブログ初めて2ヶ月になるが、こういうのもありかなと。
いろいろとやってみよう。

ご意見など聞かせていただけると幸いです。

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ケアカンファレンス

うちのケアカンファレンス(サービス担当者会議)はこんな感じ。

1. ケアプランチームの担当からアセスメントとケアプラン原案が上がってきたら、私がケアマネとして目を通した上で、これで良いと思えば原案を清書し、事前に施設内で回覧しておく。(不備があると私が判断すれば、担当のところに差し戻す。)
ここで他職員から意見があれば聞いておくが、そうして何か私のところに話があったことはない。たぶんあまり目を通されていないのだろうな……と思う。

2. 会議に際し、ケアプラン原案を配布する。
ちなみに、会議は15:00からの30分。前もって「この日に誰のケアカンファレンスをやりますよ」ということを、原案回覧と同時にケアマネから告知しておく。

3. 担当から説明。
ケアプランを全部読みあげるわけではない。「総合的な援助の方針」にあるような、「どんなことに気をつけながらどんなふうに生活してもらうのか」を説明したうえで、ではそれがどのようなニーズ、目標、サービス内容に反映されているのかを解説する。
例:) 退院後で、ギプスを付けたままの生活です。そのため入浴などに制限があります。また尿意がなくなってしまってほとんど全失禁の状態のようなので、まずは定時でトイレ誘導することとしますが、尿意が戻ってきたらコール対応にし、ゆくゆくはまた以前のようにお一人でトイレに行けるようになって欲しいと思います。病院ではリハビリを嫌がってベッドに寝てばかりいたようですが、まずはベッドから離れる時間を増やし、移乗時にはなるべく自分の力で立つようにして、歩く機会もちょっとずつ増やしていってもらいたいと思います。
そこで、まずは骨折の治癒を1番に考えて、ギプス管理を1つめのニーズに挙げてみました。2番目には、入院前にはお部屋で食事を摂ることが多くなっていましたし、お部屋にこもりがちになってしまうのは良くないので、とにかく食事時から離床の機会を増やしていきたいということで、3食とも食堂で食べてもらえるようにしていくという援助内容にしています。3つ目は、食堂での活動の支援です。最後に、また歩けるようになって欲しいということで、ちょっとずつ歩くようにしましょうということを挙げています。

4. 担当から、この場で話し合いたいことがあればそれを伝える
ケアプランを立てる過程で、迷ったり悩んだりしたことがあればそれについての意見を皆に聞く。
例:) ギプスを濡らせないので、一般浴にしろ特浴にしろ普通には入浴してもらえないのですが、どうしましょう?

5. 出席者から意見があればそれを伝え、必要があれば議論する
例:) 食堂での活動ですが、例えばこういうことやこういうことにお誘いする、と具体的になっていた方が支援しやすいと思います。入院前には食堂の流しで皿洗いなどしてくださっていたこともありますし、席で皿を拭いてもらったりなんていいんじゃないでしょうか。あとは洗濯物をたたんでもらうとか。

6. 結論
「では、プランをそのように修正しておきます」
もしくは、「では、これでプランが承認されたということで」
⇒「これから、このプランに基づいたケアをお願いします」
ということで終了。
(実際には個別機能訓練計画についても話し合うが、ここでは割愛する。)

つまり、ケアカンファレンスは、基本的には「話し合いの場」と言うよりも「承認の場」である。

ケアプランは、なるべく多くの職員の意見を踏まえたうえで作成されるのが望ましいのは言うまでもない。が、スタッフが交代で365日、24時間稼働している施設で全職員を集めてのケアカンファレンスというのは非現実的であるし、そもそも会議というものは、参加人数が多いほど発言数が少なくなってしまう。
そのくらいなら、会議で意見を聴いてそれをまとめるのではなく、原案を作成する段階でなるべく多くの職員に意見を聴き、ケアカンファレンスの時点ではほぼ完成されたものにしておく。
つまりは居宅のサービス担当者会議に近い、と言えるのではないか。

もちろん、そうは言っても、毎回、皆が「これでいいと思います」で終わるわけではない。その場で出た意見で、プランが少なからず修正されることはよくある。私も、最初に原案を見たときには「まあいいか……」と思ったものの、いざ会議になってみると、やっぱり言っておくかと思い口を出してしまったり。
現場の職員が、思いもかけなかったアイデアを出してくることもないわけではない。

こうして、うちの施設のケアマネジメントは行われている。