自立支援のはずが……

施設には、入居者さんの自立を支援するために、様々なものが設置されている。
手すりもその一つだ。

パーキンソン病の方で、このところ立ち上がりが不安定になってきた方がいる。
食堂の椅子から立ち上がる際に、肘掛をつかんで、上半身を真っ直ぐに起こしたまま立とうとされる。結果、腕で体重を支えるので、立ち上がりかけたところで手が離せなくなり、そのままの姿勢で固まってしまう。

人間が立つ時には、前方への体重移動が必須である。有名な実験だが、椅子に腰掛けている人の額を軽く指一本で押さえただけで、立てなくなってしまうくらいだ。

これはよろしくないと思い、最近、その方の機能訓練の際には必ず立ち上がり練習を入れている。しっかりと前方に体重を移動しながら立てるように。
それでも、あまり改善される様子がない。

どうしてこんな妙な立ち方をするようになってしまったのか。パーキンソン病のせいなのかな……などと考えていたが。

昨日、その理由がようやく分かった。

居室トイレには、跳ね上げ式の手すりが便器の左右に設置されている。ちょうど、椅子の肘掛のように。トイレの空間はゆとりを持って作られていて、便器が壁から離れているので、壁に手すりをつけてもあまり意味がないのだ。
そのトイレに座り、用を足して立ち上がるには、どこにもつかまらずに立てる方は別だが、便器の左右の手すりに手をかけて、両腕で体重を支えて立ち上がるのが自然である。
つまり、その方もそうして便座から立ち上がっているうちに、体が変な癖を覚えていったのだ。

自立を支援するための手すりが、機能低下を招いてしまう。

それにしても、気付くのが遅いよな……私。もっと早くに分からなきゃいけなかった。

対策を考えないとね/(´ヘ`;)\

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