ドイツの介護保険制度に学べ

日本の介護保険制度は、主にドイツの介護保険を元とし、イギリスのコミュニティ・ケア法におけるケアマネジメントを取り入れて作られている。
他にも、公費負担の割合などはアメリカのメディケアの、保険者が市町村であることなどはスウェーデンのコミューンの影響もあるらしいが。

ドイツの介護保険制度と比較することで、では日本の介護保険制度はどうあればよいのかを考えてみようと思う。
(参考:All About「ドイツ介護保険は日本とこう違う」

ドイツでは、介護度は1~3の3段階しかない。しかもその介護度1は、日本の介護度で言うと4ぐらいに相当するという。それ以下は給付対象外だ。ただし認知症の方はまた別だが。
かなり厳しいようにも思えるが、日本の要介護認定のシステムが甘すぎる気はする。要支援や要介護1ぐらいで、保険給付対象となる保険事故と言えるのかと。

要支援および介護度1~2くらいの方を保険給付対象から外すという考えは、介護業界では悪と決め付けられているようだ。私も賛成はしないが、一方で仕方ないかなとも思う。

要支援という枠組みを作って、一旦介護給付の対象とした以上、今後外すことへの抵抗が大きくなるのは当たり前だが、そもそも日本の場合、世界に類を見ない急激な高齢化に対処するには介護予防を重視しなければ……ということで、ドイツよりも低い要介護状態の人をも介護給付の対象としたのではないかと思う。しかし残念ながら、市場では介護予防サービスは望まれているだけの成長が見られていない。

無理もないとは思う。既存のサービスを要介護の方と一緒に利用すれば、どうしてもある程度、サービスは一括りにされてしまうのだから。
であれば、介護給付の対象から外し、予防は別の方法で進めていくのもやむを得ないのではないか。

ただし、それを行うには要介護認定のシステムそのものも見直さなければならない。認知症が主な疾患である、現在の要介護度1~2の方を給付対象から外すのは問題外だし、介護者がいない独居高齢者なども、その事情を大きく考慮しなければならない。

もともとドイツの真似をした制度で、日本が独自に決めた部分を止めた方がいいというのは悲しい話だが……

そもそも、要介護区分そのものも必要ないと思う。寝たきりに近づくにつれて介護度が上がっていくような区分の仕方は、少しも実情に即していない。介助が必要となる項目の多さ=介護者の負担ではないのだ。例えばその方が必要とする排泄介助の回数や、見守りに要する時間などを適切に評価することができないのなら、介護度なんて何の意味もない。

そう。実際に最も「手がかかる」のは、介護度5ではない。介護度3くらいだ。

前に私が勤めていた法人の理事長は、自費のお泊りサービスの価格を決める時に、「いちばん手がかかるのは介護度3だから、3が一番高くて、2と4が真ん中、1と5が一番安くなるようにしましょう」と言っていた。結局それは実現されず料金は一律となったが、言いたかったことはよく分かる。

介護度3と言うと、例えば車椅子移動でトイレは要介助、というくらいの方が丁度当てはまる。脳梗塞後遺症で片麻痺がある方など、切迫性尿失禁のため極端な頻尿だったりする。私が会った中では、15分に1回トイレに行かれる方がいた。言うまでもなく、介護度5の方にオムツ交換する方が介護者ははるかに楽だ。

また身体機能低下でなく、主に認知症による要介護3となると、周辺症状もかなり強いとみなすべきで、片時も目を離せない方が少なくない。

いっそのこと、報酬は介護度別ではなく、行った介助に応じて、というわけにはいかないものか。アセスメントの結果、必要と認められる介助行為を、その内容で評価する。極端な話、トイレ介助1回30単位とかでもいいんじゃないかと思う。
その方が利用者負担額も公平になるというものだし、手がかからないからといって、何も支援されずに放っておかれる介護度の低い方がいなくなるんじゃないか?

と、ちっとも「ドイツに学べ」という話にならなかったが(^-^; 今日はこの辺で。

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