ケアプランチーム(その1)

ケアプランの作成は、居宅・施設を問わずケアマネージャーの独占業務であり、他の者は行うことができない。例外は、居宅ケアプランを自己作成する場合および地域包括支援センターの社会福祉士が介護予防の方のケアプランを立てる場合のみ。
ケアマネージャーを名乗るためには、基礎的な知識を持っていることを試験によって証明した上で、研修でケアマネジメントについて学ばなければならない。

とは言うものの、アセスメント、原案の作成、モニタリングの全てないし一部を、他職種のスタッフと共に行っている施設は多いようだ。
もちろんケアマネが全く関わっていない、となれば違法行為であり大問題だが、ケアマネがケアマネジメントの過程全てに関わり、その結果作成された、自分の名前の入ったプランに対して責任を持てるのであれば問題ない、そういう解釈に基づいて行っているのだろう。

うちの施設も、ケアプランチームというものを作って、現場の職員にも関わってもらっている。その目的として私が説明しているのは……

① ケアプラン内容が職員間に周知されることが期待でき、その結果、ケアを行う介護職員が、その場だけの「介助」にとどまらず、入居者それぞれの目標を意識した「支援」を行えるようになる。
――例えば、「トイレの際はコールで呼んでもらい、介助を行う」という同じ援助内容の方が2人いたとして、1人の目標が「転倒しない」であり、もう1人が「一人でトイレの動作ができるようになる」であれば、介護職員が介助の際に心がけることは違ってくるはず。

② 逆に、ご家族の方への近況報告(うちの施設独自のもの)の作成やモニタリングを行うことで、日々のケアがケアプランに反映されやすくなり、適切な目標が設定できるようになる。
――ご家族の方への近況報告を作成するためには、ケアプランを頭に入れた状態で日々のケアを行うとともに、記録を読み込まなければならない。そこから得られる情報、また日頃の観察の結果からプランが適切でないと感じられれば、速やかにプランを修正していくことができる。

少なくとも、ケアプランが現実のケアと乖離してしまうことはないだろう。
ケアマネの私としては、他人をフォローするよりも自分一人でやった方がよほど楽だし早いのだが、苦労するだけのメリットはあるだろうと考えて、管理者に相談。実施のための後押しをしてもらった。

そもそも、現場の職員はなかなかケアプランを意識してくれない。ケアカンファレンスを開いてプランを作成、プランは現場の職員がいつでも参照できるところに置いて、援助内容を毎日の記録用紙に転記し、それに沿ってサービスを提供し記録するように依頼、とここまでやっても、だ。
また援助内容は知っていても、大本のニーズや目標を全然分かっていなかったりもする。例えば、食後に食器拭きをしていただいている方がいる。ケアマネとしては、施設という小社会の中での役割獲得の第一歩として入れているのを、尋ねてみたら「手先の運動のため」と言われてしまったり……
援助内容によっては、ものの見事に無視され、全くやってもらえなかったりする。もう仕方ない、自分が現場に入ったときだけでもプランに沿った援助をしていくか……と投げやりになりかけたところで、ふと思った。

職員みんながケアマネになればいいんじゃね? と。

そうすれば、自分が立てたプランは責任を持って実行しようとするし(そうでないとモニタリングのときに困るしね)、他人が立てたプランだって、同じように意識できるのではないか。

ケアプラン作成者がサービス提供者に含まれるというのは、本来のケアマネジメントの形とは違うのだろうか? この問題はまた別の機会で触れたい。

さて、ケアプランチームの活動を開始したのは1年前。当初5人の介護職員をチームメンバーとした。が、間もなく1名が退職、以後4名で続けて来ていた。1年経った先日、さらに4人のメンバーを補充。4つのペアを作り、活動してもらうこととなった。
メンバーの選考基準は、介護職としての経験や能力ではなく、ケアプランの作成という業務に限定しての適性。つまり、優秀な介護職員だから選んだ、また逆にダメな職員だからメンバーから外した、というわけではない(ということになっている)。資格・経験もまちまちで、5年以上の経験があるのは1名のみ。無資格で経験も1年ちょっと、という職員もいる。

メンバーには担当となる利用者さんを割り振って、アセスメント、原案作成、モニタリングと一通りやってもらっている。もちろん、それぞれの作業毎に私が逐一チェックし、アドバイスなどしている。

やってみて思ったのは、なーんだちゃんとできるじゃないの、ということ。一般の介護職員が、私の大雑把な説明を受けただけでこのくらいのプランが作れるとは……とちょっと驚いた。
ま、ケアマネ歴1年の私が人に教えるなんて、おこがましいにも程があるが。

人に教えることは、自分の勉強にもなる。
ケアプランは「問題解決型」よりも「目標志向型」であるべきだという。つまり、「問題があるからそれを解決する。するとその先によりよい生活が見えてくる」んじゃなくて、「あるべき生活を実現させるために解決しなければならないことが問題となる」わけだ。
ということは、「この方には、こんな生活を送ってもらえるようになったらいいな」というのを考えるところから始め、ではそのためには何が必要となるかを分析する。これがすなわちニーズとなる。そしてニーズを満たすためにクリアしていくステップとしての目標と、援助内容を決めていく……

そして同時にアセスメントを行う。
ケアプランの方式には、MDSとか包括的自立支援プログラムとか、何やらいくつかのスタンダードがある。が、私はよく知らない。あまり興味もなかったりして(^-^;
一応、我が施設で採用しているのは包括的自立支援プログラム。これが、最新版の解説書が軒並み絶版というとんでもない代物なのである。勉強したくても簡単にはできないのだ。(というのはまあ、単なる言い訳ですけど……)
それはともかく。包括的自立支援プログラムのアセスメント、いわゆる「ケアチェック表」を作成することで、より安全に、より健康に過ごしてもらうことはできないか、また今よりも自立した生活を送ってもらうことができないかを考える。

以上をまとめて第1~3票に落とせばOK。

と、こういうことは人に説明するために考えを整理してみて、ようやく「ああ、そういうことか」と納得できたのだった。
それまでは、ケアチェック表なんて実地指導などの時に「ちゃんとアセスメントしてますよー」ということを主張するためだけに作ってたようなものだから。
……って、こんなこと言っていいのか、私(^-^;

さて。ケアプランチームを始めてみて、実際どうなのかということは(たぶん)明日のエントリにて。

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