介護職は本当に薄給なのか

介護職員というと。
報道番組の特集などでも、「国で定める介護報酬が低すぎて、経営者も職員の給料を上げられない。そのため、志のある若者が介護の仕事を続けられずにいる」なんて内容が幾度となく取り上げられていたりする。
その辺の話を、介護業界の内部からしてみようと思う。

介護職は、常勤(週40時間労働)で基本給が14~18万というあたりが標準だろう。都市部などはもうちょっと高いのかもしれないが……
その基本給に、法人間でもちろん違いはあるが、介護福祉士の資格手当1万とか、夜勤手当1回5千とかがプラスされていって、月の総支給額はまあ20万というところになる。手取りにすると15万程度なので、確かに高給とは言えない。
賞与は、全く出ないところも多い(私のところもそうだ)。平均すれば年2か月分というところかな? しかし例えばニチイなどは、基本給が6万円(!)とかで、他に各種手当が沢山付いて月の支給額は業界の平均程度、なんていう給与構造らしく、よって賞与は1.5か月分とは言っても10万円くらいにしかならないそうだ。こんなこともあるし、そもそもハローワークの求人票に嘘を書くことに何の抵抗も感じない求人担当者は多いので、「ボーナス○か月分」はあんまり当てにしないが吉。
昇給も全くないなんてところもざらにある。ある程度大きな法人だときちんと等級表が定められていて、それに従っての昇給が保障されていたりはする。が、それでも年に2千とか、まあそんな程度だ

さらに、こうした例も「介護福祉士持ってて、正規職員になれれば」という但し書きが付く。無資格(ヘルパー2級なんて実際のところあってもなくても同じ。残念ながら)で他業種から転職してきたりすると、まず正規職員にはしてもらえない。時間給750以外に手当ほとんどなしのパート、となってしまう。

ちなみに私も、この業界に介護職として入ったときは基本給18万で、手当は0だった。もっとも、2ヶ月で相談員に引き上げられて一気に3万ほど昇給、その後も事務主任とか肩書きが付いていって、すぐに年収300万を超えたから、何とかここまで続けられている。しかしこれはかなり特殊な例だと思う。

さて、その給料で結婚し、家族を養っていくとなると、確かにキツい。
なんでこんなことになってるのか。

私は介護保険施行後しばらく経ってこの業界に入ってきたので、それ以前のことはよく知らない。なので勝手な想像だが……
国は介護報酬を決めるにあたり、全国の施設の収支状況を調査したはずだ。そのデータを基にして、介護報酬を「このくらいなら赤字を出さずにやっていけるだろう」というラインに設定した。
しかし、その頃介護業界を支えていたのは、パートのおばちゃんたちであった。だから給与もスーパーのレジ打ちやホテルの清掃などと同レベルで良かった。それが、介護保険が施行されマーケットが一気に拡大、若者や家計を支えなければならない男性たちが多量に流れ込んできたが、何しろ人件費はパートのおばちゃん基準で設定していたので、他業種並みの給料を払ったら経営なんて成り立たん! となったわけ。

そこで考え方としては、
① そもそも介護の仕事はパートのおばちゃんたちのものなんだから、それを分けてもらう以上、安月給でも我慢しろ。
② 国が介護報酬を見直せ! そうすりゃ職員にも還元してやれる。
のどちらかとなる。①をおおっぴらに口にできるわけがない経営者としては、当然②を選ぶしかない。

しかしなあ。介護報酬って本当にそんなに低いのかね。ま、これについてはまた別の機会に述べようと思う。

いずれにしろ、給与が低ければ、離職率が高く職員が定着しない⇒サービスの質が上がらない⇒なおさら経営が悪化、となってしまう。これは大問題ですよ。

さて、そんな中で介護の仕事を続けていくにはどうすればいいのか。

とにかく5年は薄給でも頑張る。その上で、ケアマネの資格を取る。ケアマネなんて、その気で勉強すれば誰でも取れる程度の資格だから。
ケアマネの試験の合格率は今20%くらいだと思うが、そんなの、大半の受験者は「お前も経験年数が5年になったから受けろ」と職場で言われて仕方なく受けに来てるだけ、ってことを示す数字に過ぎない。
あ、これはもちろん介護業界の人に限っての話ね。歯科衛生士とか病院看護師とかがケアマネ取ろうと思ったら、そりゃあ相当大変だと思うよ。

ケアマネ取れば、常勤で年収300万にはなる。どうしても現場に入り続けたかったら、私みたいに小さな施設の施設ケアマネでもやればいい。入所定員29名分のケアプラン作るだけで他の仕事はしなくていいよ、なんてユルいところがあるわけないので、かなりの確率で現場に放り込んでもらえる。現に私も、月の半分以上は現場に入ってる。それで今の私の給料って……介護職としては最高クラスだろう、たぶん。

さて、最後に。
介護職は、バリバリ働ける人にとっては確かに薄給である。が、例えばバツイチ子持ちとか、子供が親の手を離れてきたのでパートで働きたいとかいう女性たちにとっては、かなり恵まれた給与だと思う。そうした女性がこれだけ稼げる仕事って、介護業界以外には、そうはない。世の中の女性はみーんな苦労してる。
確かに土日は休みじゃないし、早番遅番もある。が、これを何とかクリアすれば、希望休は取りやすいし、子供が熱を出したなんて時にも休みやすい。ケアマネ取って居宅のケアマネにでもなれば、土日祝日休みで8:30~17:30勤務だ。それで年収300万。私が以前勤めていた老健の施設ケアマネ(30代後半バツイチ子持ち)は年収400万軽く超えてた。
悪くないでしょ?

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